アオバトの基本的な生態についてご紹介。オスメスの見分け方や鳴き声など。

美しい野鳥、アオバト。山地を好むため、なかなか野外で出会うのは難しい鳥です。まずはどんな鳥なのか、普段どういう風に暮らしているのか考えながら探すと、鳥を見つける「視点」が得られて出会う確率も高くなります。

この記事を読んで、アオバトの基本的なプロフィールや生態を知り、野鳥探索に役立てましょう!

目次

アオバトの基本プロフィール

アオバト(オス)
  • 標準和名:アオバト
  • 英名:Japanese Green Pigeon,White-bellied Green-Pigeon
  • 学名:Treron sieboldii
  • 別名・俗名:ヤマバト、尺八鳩
  • 分類:ハト目/ハト科
  • 全長:33cm
  • 分布:日本、台湾、中国
  • 見られる時期:留鳥(一年中日本にいる)
  • 繁殖期:6月~9月頃
  • 鳴き声:「オ~ア~オ~オアオ~」と人の声のような 笛のような抑揚のある声を出す
アオバトの鳴き声を聴く
  • オスとメスの違い:オスは翼の一部が赤紫色
  • 食べ物:果実、木の実、新芽など

アオバトの見た目、オスメスの見分け方

大きさは全長33cm。駅前で見かけるドバトは全長35cmなので、それよりも少し小柄なハトです。

額と喉から胸のあたりは明るい黄緑色、頭から背にかけては緑色の美しい羽を持ちます。くちばしも鮮やかな水色をしていて、南国の鳥のような印象がありますが、日本に生息しているハトです。

オスメスともに大きさは同じくらいで、見分け方のポイントとしては、メスは全身ほぼ緑色ですが、オスは羽の一部が赤色になっていて、メスよりも派手な装いをしています。

アオバトのオス(左)、メス(右) オスは羽の一部が赤紫色をしている

また、オスメスともに尾羽の裏側に特徴的な黒褐色の模様があります。

アオバトの尾羽の模様

写真で見るととても派手で鮮やかに見えますが、青々と茂った木々の中では外敵から身を守るカモフラージュになります。

アオバトの名前の意味と由来

引用元:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1287231/3

上記の絵は、江戸時代の寛政12年(1800年)ごろに描かれた「百鳥図」です。アオバトの姿の絵の横に、「青鳩」と書かれています。

全身緑色の鳥なら、「ミドリバト」ではないの?と思われるかもしれませんが、日本語の「アオ」は古来より緑色も含む言葉であるため、この名がついたと考えられています。

また、もうひとつの由来として、アオバトは独特な鳴き声を発するのですが、それが「アオ~アオ~」と聞こえるためだという説もあります。

YouTubeより引用:アオバトの鳴き声

この鳴き声は、人の声のようにも聞こえるし笛のようにも聞こえます。そのため、昔は、別名「尺八鳥」と呼ばれていたようです。楽器の尺八のような声から連想された呼び名です。

岩手県の遠野地方に伝わるお話を集めた「遠野物語」(柳田国男・1910年)には、この鳴き声が、人が馬を追う時に発生する声に似ているため、「馬追鳥(うまおいどり)」と呼ばれていたというエピソードがあります。その他にも、地域によって「マオー」「アオー」「オエオ」「魔王鳥」などと呼ばれていました。いずれも、鳴き方から連想された呼び名です。

アオバトの生活

アオバトは、春から秋にかけては、主にサクラやミズキなどの瑞々しい果実、木の実や新芽を樹上で食べる、果実・植物食の傾向が強い鳥です。

そのため、餌となる木が多い広葉樹林や混交樹林で生活をします。普通、数羽から数十羽の群れで行動し、一日の多くを樹上で過ごします。

5月~10月頃になると、塩分を含む水を多く飲むようになる性質があり、その時期になると、普段は木々に隠れていたアオバトたちも、一部地域では鉱水や海水を飲む姿が見ることができます。食品工場などから排出された塩分を含んだ排水を飲んでいるアオバトもいるそうです。

冬になり、食べ物が少ない季節になると、アラカシやシラカシなどのドングリを目当てに、山から平地に下りて過ごします。

アオバトの繁殖・子育て

日本の九州、四国、本州、北海道で繁殖します。アオバトは台湾や中国にもいますが、繁殖は日本でしか確認されていないそうです。

繁殖の時期は6月~9月頃。樹上に小枝を組んで、皿型の巣をつくります。卵は1回に2個生み、オスとメスが交代で卵を抱いて、子育てをします。

ピジョンミルク

親鳥がヒナに与える餌は、虫などの獲物を親がとってきて直接与えるか、親が一度獲物を体内に入れ、吐き戻したものを与えるのが一般的です。

しかし、アオバトは、素嚢(そのう)の内側から分泌される「ピジョンミルク」と呼ばれる液体を吐き出し与えます。これはオスもメスも両方作ることができ、そのため、父親も母親も育雛ができる仕組みになっています。

この特別な性質はハト類で見られるほか、フラミンゴにも見られるそうです。

野生のアオバトを探しに行こう

以上の項目をおさえておけば、アオバトの基本的なプロフィールはもう知っていると自信を持って良いでしょう。

「あの鳥がみたい」という憧れの鳥がいても、その鳥がどこにいるのか、何を食べているのか、どんな行動をするのか等を知っていなければ、見つけることは困難です。

アオバトは、アオバト「だけ」を見たいと双眼鏡片手に森へ行っても、その姿を見るのはなかなか難しい鳥です。しかし、時期や場所を選べば難易度はぐっと下がります。

群馬県上野村には、アオバトが数多く飛来する鉱泉があり、5月下旬~10月中旬ごろはアオバトガイドツアー(有料)を催行しています(2021年5月下旬頃開始予定)。アオバトについて熟知しているガイドを伴うツアーのため、ご興味ある方はこちらの参加もおすすめです。

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